千葉絵里 オフィシャル・ブログ

「言葉で人をつなぐ、心をつなぐ」コミュニケーター/リンギスト/英日会議通訳者/英語講師/コーチ/会議ファシリテーターのブログです。通訳者としての得意分野はプロフィールをご参照ください。

初登壇!自動車業界通訳の魅力について語りました

おととい、日本会議通訳者協会主催の日本通訳フォーラム2018が開催されました。

私は、桂田アマンダ純さんとともに、「自動車業界通訳の魅力を語る」というタイトルでトークを行いました。「そもそも自動車業界ってどうなっているの?」「この業界ではどんな通訳をするの?」という基本情報も組み込んでほしいという主催者からの要望で、業界の概要をまずご説明する手はずになっていました。ところが、二人とも自動車大好きなので、業界や今業界で起きている一大変革、熱いトピックなどについて少々マニアックに語りすぎてしまい、どちらかというと「自動車業界の魅力を語る」というのが実態というところに。このフォーラムでは、カルロス・ゴーン氏の専属通訳者として名高い、日産自動車の森本由紀さんの素晴らしいご講演もありましたので、それでもよかったのかな、という気もちょっとしています。

二人で何度も打ち合わせを重ね、最後はリハーサルも行って。省みると、自分たちが一番このプロセスを楽しんだのではないかと思います。もちろん、あれも語りたかった、あれはこういう風に説明すればよかった、と思うことはありますね。特にアマンダさんは、世界ラリー選手権の案内役としてテレビ出演などもされているので、モータースポーツに企業が参加する意義などについてもお話しできればよかったのですが・・・時間がちょっと足りませんでした。

いろいろ反省点はありますが、こんなに大きな会場で、これだけの人数の方の前でお話するのは初めての機会。自分なりに、ベストを尽くせたと思います。聞きにきてくださった皆様、オーガナイザー・スタッフの皆様、ありがとうございました!

(写真投稿したいのですが、ちょっと今うまくいかないですね・・・。写真はいずれまた)。

 

 

 

母校訪問!

昨日は、中学・高校時代の母校を訪問して、恩師が今でも担当されている英語の課外授業の時間にお話をしてきました。対象は高校三年生。

 

  • なぜ通訳者になったのか
  • 通訳者とはどういう仕事か
  • 「通訳」という仕事の魅力
  • これから英語を使って社会で活躍していきたい生徒さんたちに贈る言葉

みたいなことをお話してきました。「今まで一番印象に残った通訳は?」と聞かれたので、ここは感動エピソードというよりも、「今だから話せる失敗談」を。今までやや緊張していた場がなごんだ一幕でした。

 

”US has agreed to work towards lowering trade barrieres with the European Union."(BBCのアプリを開いたら最初に出てきた記事の冒頭の一文)を使って、ちょっとしたサイト・トランスレーション(site translation)、文頭からの理解のデモンストレーションも行いました。

 

いつの時代も、受験は高校三年生にとっては大きなプレッシャーのようです。一方で、私たちのときとは学習方法もかなり変わっている模様。どれだけお役に立てたか分かりませんが、私の知る限りのことを一所懸命お話してきました。

 

若い人たちに、希望を持って社会に羽ばたいてほしいですね。

 

私にとっては、8月末に予定されている日本通訳フォーラム2018での登壇のよい準備になったように思います。がんばれ、後輩たち!

乱読派です:現在読んでいる本のリスト

読書は乱読+平行読書派です。Kindleを持ち歩いているのも気分に応じてその時読みたい本を読みたいから。

 

今取り掛かっている読書はこんな感じです(著者名敬称略)。

 

山口周『知的戦闘力を高める 独学の技法』(『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』があまりにもよかったので)

山田知生『スタンフォード式 疲れない体』

鳥原隆志『トップ1%に上り詰める人が大切にしている 一生使える「仕事の基本」』

山崎豊子大地の子 1』(取材や描写に問題が提起されていたことも知っていますが、ドラマがよかったこともあって時々読み返したくなります)

野々村 馨『英文版 食う寝る坐る - Eat Sleep Sit: My Year at Japan's Most Rigorous Zen Temple (英語)』

 

今日BSで「マッサン」の再放送を見て、北海道で工場設立のくだりが面白かったのでKindle Unlimitedで竹鶴政孝氏の『ウィスキーと私』も読もうと思います。

 

英語の読書が弱いかな。聞いてばかりじゃなくて読むのもがんばらなくちゃ!(学者の方は書き言葉でしか使われない単語をよくお使いになると学んだので。それなりに難しい本も読んでいないといけません)。

 

 

 

 

読書:『世界のエリートはなぜ「美意識を鍛えるのか」 経営における「アート」と「サイエンス」

いやはや、著者の圧倒的な読書量と、それを自在に引用しつつ論を展開する見識の高さに脱帽の1冊です。新書とは思えないほどの情報量があり、日本語の本を読むのが比較的速いはずの私もかなり時間をかけて読み終えました。Kindle版を読んでいたのですが、あまりに共感するところが多かったので、ハイライトを引きまくりだったのです。

 

著者の主張を非常にざっくりまとめると、「今日の世界は「VUCA」=「Volatility=不安定」「Uncertainty=不確実」「「Complexity=複雑」「Ambiguity=曖昧」という言葉で象徴される状況になっている。この状況に対し、従来の「サイエンス」=「分析」「論理」「理性」に軸足を置いた「サイエンス重視の意思決定」では経営の舵取りができない。だから「世界のエリートは美意識を鍛えるのだ」ということになろうかと思います。

 

「ソマティック・マーカー仮説」(ここで引用されているAntonio Damasioの”Descartes' Error"、買っているけどまだ読んでいないんだよな・・・)「意思決定における感情の重要性」「”偏差値は高いが美意識は低い”という人たち」「”悪とは、システムを無批判に受け入れること”」「鍵は”基準の内部化”」など、さっと目を通すだけでワクワクするような小見出しが並んでいます。

 

個人的に非常に面白かった指摘をひとつ引用。

 

私たち日本人の多くは、ビジネスにおける知的生産や意思決定において、「論理的」であり「理性的」であることを、「直感的」であり「感情的」であることよりも高く評価する傾向があります。この「論理的で理性的であることを高く評価する傾向」は、決してそれが「巧みである」ことを意味せず、むしろ私たち日本人が、権力者が作り出す空気に流されてなんとなく意思決定してしまう傾向が強いことへの反動で、一種の虚勢なのですが、この点についてはのちほどあらためて触れたいと思います(位置No.354-358)。

 

『失敗の本質』『「空気」の研究』に代表されるように、「日本人がその場を包む”空気”に流されて、しばしば非合理的な意思決定をしてしまうことを知って」(位置No.1015)いるが故に、過剰反応になっているのではないか、というのですね。だから、意思決定において、「アート」寄りではなく「サイエンス」「クラフト」志向の意思決定をしがちであるが、それが現代の混沌とした、先の読めない状況にはそぐわなくなってきていると。

 

非常に鋭い指摘だと思いました。そして、「論理的で理性的であることを高く評価する傾向」はあるが、それが「巧みであることを意味せず」というところがまさに正鵠を射た指摘と思います。

 

成人発達心理学に興味を持って学んできた身として非常に興味深かったのは、「真・善・美」の三つについて、「客観的な外部のモノサシ」だけではなく、「主観的な内部のモノサシ」を持つべきではないか、という問題提起でした。

 

最近自分の周りではちょっとしたブームになっている本に『ティール組織』という本がありますが、「価値の内面化」ができるという重要な発達段階の達成事項(これは、ティールっぽい言い方をすれば、オレンジ段階ですでにある程度は達成できるはず。もっと深い内省の能力はグリーンに到達しないと無理かと思いますが)に注目せず、「グリーン」や「ティール」に憧れるのは考え物だと思わされました。

 

とにかく読み甲斐のある、考えさせる本です。夏休みの読書にぜひお勧めします。

 

 

久しぶりの更新:執筆記事などのお知らせ

久しぶりの更新になります。いやはや、人生には色々なことがあるものです。「今年は教える仕事も頑張っていきたい」とどこかで書いたような気がするのですが、諸般の事情で上半期は講師活動ができなくなってしまったり。思いがけぬことの連続で日本会議通訳者協会主催 第一回同時通訳グランプリで実質的な実行委員長を務めることになったり(グランプリは、初めてということで試行錯誤もありましたが、大きな事故も機材トラブルもなくイベントを終えることができてほっとしています。改善点は多々ありますが、次回実施する場合はもっと円滑な運営を心がけたいですね。特に社会人部門の審査では採点補助業務において一部遅延と混乱があり申し訳ありませんでした)。

 

下半期も、何がどうなるのか全く決まっていません。たぶん9月~12月は通訳者としては繁忙を極めるだろうなということだけ(笑)。現在サッカー・ワールドカップの真っ最中ですが、19年のラグビー・ワールドカップ、20年の東京オリンピックパラリンピックを控え、通訳業界は活況を呈しています。

 

問題はその後ですね。「その後」も見据えて、色々と勉強や研究を重ねているところです。

 

上半期に執筆した記事などをご紹介します。

 

【第30回】現役通訳者のリレー・コラム「通訳学校を使いこなす・前編」 – 日本会議通訳者協会

 

【第30回】現役通訳者のリレー・コラム「通訳学校を使いこなす・中編」 – 日本会議通訳者協会

 

【第30回】現役通訳者のリレー・コラム「通訳学校を使いこなす・後編」 – 日本会議通訳者協会

 

【第1回】通訳なんでも質問箱「逐次通訳を勉強する本」 – 日本会議通訳者協会

 

【第2回】通訳なんでも質問箱「シーズンとスケジューリング」 – 日本会議通訳者協会

 

現在、ブログに長い記事を書くことはなかなか難しい状況にありますが、ツイッターは割と頻繁に更新しています。よろしければ@echibainterpretをご覧ください。

日本会議通訳者協会のイベントご紹介:同時通訳グランプリ

理事としてお仕事をさせていただいている団体、日本会議通訳者協会のイベントをご紹介します。

 

本年6月9日(土)に本選開催予定の第1回JACI同時通訳グランプリ。このコンテストでは、通訳を勉強している学生・社会人と、通訳者になって3年以内の通訳者に、同時通訳のスキル向上の目標と切磋琢磨する機会を提供することを目的としています。

 

日ごろ鍛えた通訳能力をみなさんの前で力試ししてみませんか? 詳細は下記リンクをご覧ください。応募締め切りは4月15日まで。

 

 

www.japan-interpreters.org

2018年もよろしくお願いいたします

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

昨年は、少しでも有益な情報発信をしたい!と思う余り、繁忙期にはまとまった時間が取れず、更新が途絶えてしまいました。

今年はもう少し気楽に書いていきたいと思います。